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【試合レポート】中部電力戦
晴天の万博記念競技場。
遠方地にも関わらず多くのダイナボアーズファン、関係者が集まり、応援団のエールと共に緑色のチアスティックが競技場を響かせる。
アウェーでの戦いでは、この声援こそが選手たちの追い風となり、勇気を与えてくれる。
絶対に勝たなければならない。
自分たちが納得のいく戦いをしたい。
これまでの戦いを振り返ると、釜石シーウェイブス戦、マツダブルーズーマーズ戦ともにダイナボアーズらしい力強いラグビーには程遠く、選手たちからは「このままでは」という言葉が飛び交うようになっていた。
それゆえにグラウンドでは緊張感ある練習と、一人一人が「足りないもの」を考え、目の前の戦いである「中部電力戦」に向けて準備を進めてきた。
前半は相手のキックオフで試合が開始され、中部電力は果敢にダイナボアーズ陣での戦いを繰り広げた。素早いパス回しから突き刺さる攻撃に対し、ダイナボアーズは懐に入られた形となり、後手となったディフェンスは自陣22m付近真ん中で痛恨のペナルティー。
前半3分中部電力にPGを決められ先制を許す。(0-3)
しかしながら、直後のキックオフからダイナボアーズが主導権を握り敵陣での連続攻撃をしかけ、前半6分、この日先発出場となったCTB田畑万併が相手ディフェンスを切り裂きトライを奪う。(7-3)その後も強いランナーとしてダイナボアーズの柱となっているNo8ファイフィリ・レヴァヴェや、FL土佐誠、CTBレポロ・テビタを起点にゲインラインを越えていく。
前半は13分にWTB山本逸平、27分LOダニエル・リンディーがトライを奪い点差を広げていくが、前半終了間際の39分、ハーフライン付近において、SO渡邉夏燦が相手ディフェンスラインの裏にスペースを見つけチップキック。早い出足でプレッシャーをかけてきた相手ディフェンスにチャージされ、不運にもボールは自陣インゴールへ転がり、中部電力にトライを献上。(21-10)
とにかく内容に拘りたいダイナボアーズにとってこの状態で前半を折り返すわけにはいかない。全員が同じ気持ちであった。
直後のキックオフボールをターンオーバー。トライへの意地を見せるダイナボアーズは、フェーズを重ね相手ディフェンスが崩れたところで最後はSO渡邉がインゴールへ飛び込み前半最後のトライを決めた(28-10)
勝負は後半から。
迎えた後半も主導権を握り相手陣において果敢に攻め込むダイナボアーズであったが、ここぞという場面でのハンドリングエラーや、パスミス等が目立つ。
それでもセットプレーにおいてスクラム、ラインアウトともに相手にプレッシャーをかけ、相手の「かたち」を崩すことに成功していたダイナボアーズは、相手に試合の流れを渡すことを許さなかった。
後半は10分にWTB山本逸平、15分にこの日2トライ目となるCTB田畑万併、25分にラインアウトモールを押し切りNo8ファイフィリ・レヴァヴェ、35分に相手ディフェンスの裏に蹴られたボールに素早く反応したWTBロドニー・デイヴィスが持前の俊足を披露、39分にはHOアルバート・アナエを起点にフィジカルで相手を圧倒し最後はNo8ファイフィリ・レヴァヴェ、42分にBKへ展開されたボールをFB中濱が決め、合計6トライを奪い68-24で勝利を掴んだ。
点差を見ればダイナボアーズの大勝になるが、課題も多く残る。
簡単なミスは激しさを増す戦いにおいて命取りとなる。
勝負しなければならない場面、守り切らなければならない場面において、ここぞという力が求められる。
ダイナボアーズの戦いはここからだ。
一歩ずつ確実に登りつめていく。
佐藤監督コメント
遠方地にも関わらず多くの皆様にご声援をいただき、選手たちにアウェーであることを感じさせない雰囲気の中、試合をすることができました。
誠にありがとうございました。
試合内容としては、簡単なミスからトライを奪われるといった部分において納得のいく内容ではなかったものの、一人一人が自分の仕事を全うしようとする姿勢が見れたことは良かった部分だと思います。
試合の中での状況判断といった部分において再度チームで見直していきたいと思います。
次戦の中国電力さんとの試合においても、チーム全員でいつもと変わらない準備をして挑みたいと思いますので、引き続きご声援の程、よろしくお願い致します。